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だれかのために何かを成し遂げるための

勇気とエールを

『ぼくが髪を伸ばすわけ』は、ヘアドネーションに挑戦する小学5年生の男の子が描かれた絵本です。

 

ヘアドネーションを取り入れた作品を書こうと思ったのは、今から4年前の夏に見た、ある新聞記事がきっかけでした。

 記事の写真には、オーストラリア人の8歳の男の子が坊主頭で満面の笑みで写っていました。とても興味を惹かれ、記事に目を落としてみると、その男の子は、6歳から2年半、小児がんの子どもたちのために髪を伸ばし続け、8歳でヘアドネーションしたということが書かれてありました。

わたしは、とても衝撃を受けました。たった6歳で、誰かのために自分ができることを見つけ、諦めることなく最後までやり遂げる。これは、なかなかできないことです。その2年半の間には、髪を伸ばしている事情を知らない子たちからいじめられることもあったそうですが、けっして気持ちが揺らぐことはなかったそうです。

 

この素敵な記事から受け取ったメッセージを、わたしは世の中に伝えたい、伝えなくてはならないと強く感じました。

 

この世界には、たくさんの子どもたちがいます。その多くの子どもたちが、新しい友だちを作って遊んだり、外で思いっきり体を動かしたり、大好きなお菓子を食べたり、テレビやゲームの話を楽しくしたりしています。でも、病気と闘っている子たちは、多くの子どもたちが当たり前にしていることもできないという現実があります。

 小児がんの治療には、放射線を使うことがあり、その副作用で、毛が抜け落ちてしまいます。今まであった髪の毛やまゆ毛、まつ毛などがなくなってしまい、今までと違う自分に気持ちがふさぎ込んでしまう。そこで、本物の髪の毛でかつらが作れるよう、髪の毛を寄付する(ヘアドネーション)活動が生まれました。ヘアドネーションは、小児がんで苦しむ子どもたちに笑顔をプレゼントできるものです。でも、まだまだたくさんの髪の寄付が必要なのです。

 

この絵本に登場するこうたくんも、2年間、髪を伸ばし続けるには相当な覚悟と努力が必要でした。でも、それ以上に、だれかのために何かをするという強い気持ちを持ち続け、そこに喜びを見出しました。そんなこうたくんの姿から、だれかのために何かを成し遂げる勇気とエールを贈れたら……。この絵本『ぼくが髪を伸ばすわけ』には、そんな想いを込めました。この想いがひとりでも多くの人に届きますように。